はなしのたね。2018.vol.13
1:「読むアルコール・ストロングゼロ文学」のはなし。
 「何があっても絶対に開けてはいけません」そう言って乙姫さまは、ストロングゼロ500ml缶1ケースを渡しました―――ストロングゼロ文学というものをご存知でしょうか。いや、その前にストロングゼロをご存知でしょうか。ストロングゼロはお酒です。「ストロング系缶酎ハイ」と呼ばれるジャンルのお酒で、そのアルコール度数は9%です。一般的にビールのアルコール度数が5%、普通の缶酎ハイが5%、マッコリでも7%ですから、9%は非常に高い数値です。もちろん割って飲むお酒や、チビチビ飲むお酒はもっと高い数値のものがありますが、グビグビ行くタイプのお酒で9%は相当なものです。
 このストロングゼロが今や大人気となっています。理由は実に単純明快。「安く酔えるから」に他なりません。そしてそのストロングゼロを飲むことでもたらされる心理を表現したのが「ストロングゼロ文学」です。虚無感や孤独感を表現した内容が多く、日々の生活に疲れ切った現代人が酒に酔うことで現実から逃れながらも、決してこれが正解ではないとどこかで虚しさを抱く、そんな葛藤が感じられる作品ばかりです。

2: 
 冒頭の作品はもちろん浦島太郎をもじったものですが、開けてはいけない、つまり酒に逃げてはいけないと分かっていながら、開けざるを得ない自分の境遇を憂えた作品になっています。他にも鶴の恩返しから「我慢できなくなったおじいさんは、そっと中を覗いてみました。すると鶴がストロングゼロ500ml缶を飲んでいたのです。『はた織りウゼェ!今日はもうヤメ!おじいさんも一緒に飲もう』」とか、太宰治の走れメロスから「メロスは村の無職である。笛を吹き、ストロングゼロを飲み暮らしてきた」などがあります。太宰作品は他にもあって、人間失格を元に「恥の多い生涯を送ってきました。自分には、シラフの生活というものが、見当つかないのです」という、まさにストロングゼロで人生を狂わせてしまったような悲しさ溢れる作品もあります。太宰治の退廃的な世界観と、強いアルコールによる精神の崩壊が妙にマッチして、味わい深い内容に仕上がっています。
 ストロングゼロともどもストロングゼロ文学がここまで支持を集めているのは、やはりその内容に共感する人たちが多いからでしょう。「共感」は現代を代表するキーワードであり、人との接触は避けたがるくせに、誰かとどこかで繋がっていないと不安で仕方ない現代人の愚かさが強く出ている傾向だと感じます。家で一人ストロングゼロを飲んで現実逃避している方がいいくせに、そういう弱い人間は自分だけじゃないと確かめたい。これがストロングゼロ文学の裏にある心理ではないかと思います。そして「ストロングゼロ」という名称もいい意味であざといですね。「ストロング」は強い、とかたくましい、という意味なのに、その後に続く言葉は「ゼロ」。どっちつかずの浮遊感が、ネットやVRといった仮想と現実社会の間を彷徨う現代人の心理にマッチしたのかも。そう考えると、小説やおとぎ話など空想の世界と相性がいいのもそのせいかもしれません。まあ「ゼロ」は「糖質ゼロ」のことなんですが。
 ストロングゼロ文学は確かにちょっと面白いですし、お酒で現実を忘れたいときは人間誰しもあります。でも何があっても飲みすぎ注意です。高いアルコール度数は依存症を引き起こす要因になります!(N)

3:「アタマの体操・シケパ(脳トレ編)」
~脳を活性化しアンチエイジングに最適です。お役立て下さい。~
【問題】
 ①□に入る文字は何?    
 ②「X」は何?        
 ③これ、何?

4:ハナタネ寄席
★「すみません、囲碁気をつけます」 「やってしまったことは将棋ない。でも失敗をオセロずに挑戦してくれ」
「マーいいジャン、トランプるにならなかったし」 「チェーっス!何の話?」 「失敗をおソリティアいかんって話」