はなしのたね。2014.vol.16
1:「5万回斬られた男」のはなし。
 「福本 清三」という役者をご存知でしょうか。おそらくほとんどの方が知らないでしょう。それもそのはず、彼はいわゆる大部屋役者。大部屋役者とは、端役などのみで出演している、あまり売れていない俳優さんのこと。映画やドラマのキャスト紹介のどこにも、その名前は上がりません。
 そりゃあ知らなくて当たり前。ですが彼は、時代劇には特に欠かせない立派な名優。そしてその役どころは、「斬られ役」です。ほんの一瞬の出演場面で、主人公に斬り殺されて消えていく・・・福本さんは半世紀以上に渡って無数の作品に出演し「5万回斬られた男」の異名を持ちます。
 15歳のときに東映京都撮影所に入社。ただひたすら、名前も載らない端役をもらうために、撮影当日に貼り出される掲示板を見続けていました。10年の下積みを続けて、初めてもらった役はスタントマン。その後も「できません、やれません」という言葉を封印し、顔と名前を売るためにどんな危険なスタントでも引き受けました。やがてスタントでの活躍が時代劇での斬られ役につながります。25歳で結婚。出世していく仲間、はたまた辞めて他の道へ進んでいく仲間を目にしながら「自分にはこれしかない」と、毎日変わらない仕事を何十年も続けました。激しいスタントで10日間、体が動かなかったこともあったといいます。
 そうした地道な努力がインターネットの掲示板などで話題になりました。朝日新聞でも紹介されたことをきっかけに、様々なメディアに登場するまでになります。迫真の演技が認められ、あの「ラストサムライ」にトム・クルーズの警護役として出演を果たします。このとき既に59歳。サラリーマンなら定年間近です。そして2014年、遂に主演の座を射止めます。71歳にして映画「太秦ライムライト」で初主演をつとめたのです。
 「どんなに地味な一瞬の仕事でも、見ている人はいる。見てくれている人はいる」、「たとえ映らなくても、一生懸命こうやないかああやないかと考えてやってたのが、僕の一番の財産やないかと思うんですわ」―――福本さんはこんな風に語っています。お時間のある方、Wikipediaで「福本 清三」のページを見てみてください。とんでもない数の出演作品数です。これを名俳優と言わずして何と言うのか。「生まれ変わってもう1度やるかって聞かれたら、私は貧乏でも、また大部屋役者として生きていきたいと思ってますし、もちろん、家庭も今の女房や子供らで十分ですわ」 自らの役者人生を振り返ってこんなコメントも残しています。
 「積小為大」の「小」は「小さいこと」というよりも「身の丈にあったこと」。贅沢を言わず虚勢を張らず、日々努力していくことの大切さを、福本さんは教えてくれている気がします。(N)

2:「アタマの体操・シケパ(脳トレ編)」
人間、読み書き算盤が肝心。脳を活性化しアンチエイジングに最適です。お役立て下さい。
【問題】
①「?」に入る平仮名は?
②下の図形に線を1本引いて出てくる国民的な物は?
③これ、何と読む?

3:ハナタネ寄席
★コンビニでおでんを買ってお箸を二膳お願いしたら「彼女さんと食べるんですか?」的なことを聞いてきたレジの女の子がかわいかったです。「いえ、友達とです」 って答えたら「すみません、勝手にニヤけちゃってました」って笑いながら謝ってて可愛かったんですが、お箸は一膳も入ってませんでした。
4: 
前回の答え
①9(A=え、C=し、五十音表での順番)
②岡山県(福「岡」「山」口)
③どんぶり勘定