はなしのたね。2014.vol.36
1:「アラル海」のはなし。
 アメリカ航空宇宙局(NASA)はこのほど、2000年から2014年の間に撮影した、中央アジアにあるアラル海の衛星画像を公開し、ほぼ消滅状態にあると発表しました。アラル海はカザフスタンとウズベキスタンの国境をまたぐ地域にある巨大な湖で、かつては琵琶湖の100倍の大きさを誇る世界第4位の大湖でした。世界地図にもちゃんと記載されています。
 ところが1987年までに水量の60%が失われ、2010年にはとうとう面積の10%を割り込んでしまいました。分かりやすく例えると、九州と四国を合わせたぐらいの面積が、たったの半世紀で大分県1県分ほどに縮んでしまったことになります。
消滅の原因は旧ソ連の農業事業です。アラル海には2つの大きな川から水が流れ込んでいたのですが、1960年代に旧ソ連政府が農業用水を確保するために灌漑(かんがい:農地に外部から人工的に水を供給すること)を進めたため、アラル海に流れ込む水の量が激減。信じられない速さで水が干上がっていきました。そのスピードは凄まじく、停泊していた船が朝起きたら座礁していた…なんてこともあったとか。また、これだけ大きな湖ですから、周辺の町は漁業で成り立っていました。しかし水が減ったことで湖の塩分濃度が上昇。アラル海での漁業は不可能になりました。次第に町はゴーストタウン化し、犯罪が多発するようになりました。旧ソ連もこれを問題視し議論を重ねていたのですが、近隣国での内戦などの影響で対策は遅々として進まず、消滅という結果となってしまったのです。
 「船の墓場」というとバミューダ・トライアングルが有名でしょうか。しかし、実際に廃墟と化した船の姿が大量に見られるのはこのアラル海です。かつて港だったと思われる場所には、横一列に並んだ船がいくつも取り残されています。哀しく打ち捨てられた彼らの元に、主が戻ることは永遠にありません。アラル海の消滅は「20世紀最大の環境破壊」と言われます。気温の変化を和らげてくれる水がなくなったため、周辺地域の冬は一層厳しく、夏は一層暑くなったとNASAは解説しています。また、農薬に汚染された湖底の土煙が風に巻き上げられ、住民らの健康にも被害が生じているそうです。森や湖の消滅は、単に生物の死滅やそれにまつわる産業の崩壊だけに留まらないことを、アラル海は身を呈して教えてくれているのかもしれません。(N)

2:「アタマの体操・シケパ(脳トレ編)」
人間、読み書き算盤が肝心。脳を活性化しアンチエイジングに最適です。お役立て下さい。

【問題】
①下の4つのブロックを正しく積むと何メートル?
②「それ」とはなに?
③並べ替えて四字熟語を4つ作ってください


3:ハナタネ寄席
★居酒屋行ったら隣の席からこんな話が聞こえてきた。「日本の医療費は先進国中、他の追随をゆるさないほど安いんだよ。初診料日本2,400円に対して、アメリカ平均20,000円。物価がはるかにやすい中国よりも日本の方が安い。これでもまだ高いっていうのか?」―――えらく真面目な話してるな~って思ってたらその後、「てゆーか、水道トラブル5,000円、トイレのトラブル8,000円で、俺たちの体のトラブル2,400円だぞ。便器以下か俺らは!」と訳の分からないところに着地していた。
4: 
前回の答え
①三段腹
②通勤快速
③極悪非道・優柔不断・疲労困憊・横断歩道