はなしのたね。2015.vol.26
1:「書き出し小説」のはなし。
 お笑いコンビ・ピースの又吉直樹さんが書いた小説「火花」が、芸人初の芥川賞受賞という快挙を成し遂げ話題になっています。皆さんは本を購入するとき、何を基準に選んでいるでしょうか。作者?タイトル?それとも表紙のデザイン?意外と多いんじゃないかと思うのが「最初の一文」で興味を惹かれるかどうか、という方です。私も瑣末ながら文章を書く際、「最初の一文」にはとても気を使います。むしろ書き出しさえパッと思いつけば、その後は勢いに任せて書けてしまう、ということもあります。
 ところで純文学、大衆小説など、文学には様々なジャンルがありますが、その中の一つに「書き出し小説」というのがあるのをご存知ですか。『国境の長いトンネルを抜けると雪国であった』――― ご存知の方も多いと思いますが、これは川端康成の「雪国」の冒頭の一文です。優れた作品というのはその冒頭の一文で「これから一体何が始まるんだろう!」と想像力を駆り立てられ、ワクワク感を煽ってくれるのです。そこで、小説の書き出しの一文だけを考えよう、という斬新な試みが「書き出し小説」です。ほんの一例をご紹介します。
 ■『彼女なら、きっと本体よりもポケットの方を欲しがるだろう。そんな人間だ』――― あえてドラえもんの名前を出さずに始まる物語・・・この一文がこの後どんな意味を持つのか、色々想像が膨らみます。
 ■『そのバラバラ死体を組み合わせると、どうやっても腕が一本余る』――― おぉ~怖!その理由が気になるミステリーの始まりです。どんな名探偵がどんな名推理で解決してくれるのでしょうか。
 ■『ゾンビが乗ってきて、私は優先席を立った』――― どんな世界なのでしょうか。その乗り物にはゾンビ優先席があるようです。一見コメディのようなタッチでありながら、秘密結社のような存在も匂わせます。
 と、まあこんな感じです。もちろんこれらは実在する小説でなく、この一文だけが考えられたものですが、是非プロの有名小説家に続きを書いてもらいたいと思わされます。ちなみに私が最初の一文を気にするようになったきっかけは小学校の頃です。作文の授業のとき担任の先生が「作文の最初の一行目は、読む人が『おっ』と思う文章にしなさい」と教えてくれたのです。それが強烈に印象に残って今に至ります。読み手のことを考えて文章を作る、ということの第一歩を教えてくれたその先生には非常に感謝しています。と同時に深い憎悪の念も消えることはないのです――― な~んて一文で小説が始まったら、興味惹かれますか?(N)

2:「アタマの体操・シケパ(脳トレ編)」
人間、読み書き算盤が肝心。脳を活性化しアンチエイジングに最適です。お役立て下さい。
【問題】
①「?」に入る漢字は?
②「?」に入る言葉は?
③並べ替えて四字熟語を4つ作ってください

3:ハナタネ寄席
★お前の娘は預かった。返して欲しければ1を、それ以外は2を押して下さい。
4:復活!さらりーまん川柳(第一生命より)
「帰宅して うがい手洗い 皿洗い」
「体重計 買った妻だけ 計らない」
「素顔だと 犬が吠えると 妻が言う」

5: 
前回の答え
①花
②目(左を英語にして逆から読む 目=eye →逆から読んでも目)
③かきすて