はなしのたね。2017.vol.19
1:「〝シラける“進化」のはなし。
 道具や人工知能(AI)のほうが人より強い分野がたくさんあります。よく知られているものでいくと「囲碁・将棋」。英ディープマインド社が開発したAI「アルファ碁」は、人間を完全に上回りました。完膚なきまでに。この結果、ディープマインド社はもう囲碁から手を引くそうです。つまり「アルファ碁」は引退。「もうAIが人と争う意味はないし、世の中もそれを望んでいない。これ以上、人と争っても勝つだけで“シラける”ので、卒業する」とのこと。何だか大層な言い分でございます。
AIと人間の競争期間は、実にあっという間でした。あっという間に追い越されました。もう囲碁や将棋の世界において、人間がAIに勝つことはできないでしょう。単発勝負でたまに勝つことはあっても、長期的に人間が上回ることはもはや不可能です。これまた大層な言い分ですが、囲碁・将棋の世界ではこれからもAIより「弱い」人間同士の対戦が続くのです。
 これは囲碁・将棋に限った話ではありません。近い将来、球技や陸上競技でも、AIを搭載したロボットが登場すれば、これはもう絶対に勝てません。じゃあ、「弱い」人間同士の競争に意味はないのか・・・、そんなことは絶対にありません。人間にできてAIにはできないことは「人の心を打つ」ことです。先ほどのアルファ碁が人間のプロ棋士たちをブチのめした際、一体どれだけの人間が興味や関心を示し心打たれたでしょうか。大概の方は「ふ~ん」で終わったはずです。世界最強の囲碁の打ち手が誕生したにも関わらず、です。将棋の世界でも、実はAIと佐藤名人の対戦がこの5月に行われていたにも関わらず、人々の関心は連勝街道を突き進む14歳の少年に向けられていました。人間は人間がやることに興味を持つ―――AIがどれだけ人間を上回ったとしても、所詮、AIには心揺さぶられるような感動は生み出せないのです。
 「AIがこんなに進化したんだぜ~!!」と宣伝されても、何だか“シラける”だけなんですよね~。あれ?冒頭で大層な言い分で上から目線に聞こえた言葉を、今度は逆に上から目線で言ってやることができました。でもそれでいいんです。なぜならそれが真理だから。AIなんて勝手に進化して勝手にやってくれてりゃいいんです。AIの進化に仕事を奪われるかもしれない・・・なんて悩んでいる暇があるなら、周囲の人たち、家族や友人、同僚や上司、つまり生身の人間に興味・関心を持って、接する機会を作るほうがよっぽど有意義です。AIに深い知識を持つ将棋の羽生善治さんはこう語っています。「私がAIに強い関心を持つのは、AIの研究は人間の脳の解明に限りなく近づいていくからです。AIの研究を推し進めている最大の原動力は、自分自身をもっと知りたいという人間の願望かもしれないですね。」AIの進化も結局はすべて人間の進化の糧となる、AIに勝るとも劣らない、世界最高レベルの頭脳を持つ羽生さんのこの言葉がすべてな気がします。(N)

2:「アタマの体操・シケパ(脳トレ編)」
~脳を活性化しアンチエイジングに最適です。お役立て下さい。~

【問題】
①バラバラになった漢字を組み合わせてできる熟語は何?
②( )に入るカタカナは?
③この創作漢字、読む?

3:ハナタネ寄席
★よく性格悪いって言われます。趣味は、推理小説を犯人の名前に蛍光ペン塗ってから古本屋に売ることです。
4: 
前回の答え
①ネイルサロン(矢印の方だけ読む)
②原(火力・水力・風力・原子力)
③ひとまとめ(ひトマトめ)